C'est la vie

新大陸の湖畔

一抹の寂しさ

椎名林檎

割りと一人で吹っ切れて大人を忘れた子どもみたいに遊びに興じて生きているって思ってた人が、きっとそうじゃなかったんだな、誰かに依頼されて作って外に出して今日も生きているんだなって思った。

その時の感動とか焦りとか手に汗握る感覚はもうとうの昔に遥か後ろでセピア色に傾いていた。それに素直に喜べない今があって、この前の逆輸入でも似たような錯覚に陥る。昔生まれた命をもう一度吹き込むこの活動は私のものなのに。あなたじゃないって思ってたのに。

紅白には「大人の事情」が至るところに蔓延っていて、見ているうちに一人で「あー」とか「うー」とか呻いてた。この先の人生、どうなるかなんて分からない。でも精一杯生きた私のあとに勝手に人生なんて出来てくるもんなのよ、って派手にギターと金切声で蹴っ飛ばして歌ってくれた椎名林檎は多分、もう、いない。