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Le Nocturne

深淵を覗く時

三月のライオン

『鳥に似てる。白くて静かでスッとした感じの。鷺とか鶴とか細くてでっかいやつ。兎と亀ってあるじゃん。あれの兎のもっと上。兎じゃなくて鳥。宗谷を見てると自分は亀か地を這う虫のような気がしてくる。

でもって参るのは兎は過信して自滅してくれるけど、宗谷は天才と呼ばれる人間のご多分に埋もれず、サボらない。どんなに登り詰めても決して緩まず自分を過信することがない。

だから差が縮まらない。どこまでいっても。俺はずっと見ていた。同い年の宗谷が風のように奨励会を駆け抜けていくのを。さらにプロになり、順位戦をかけ登っていくのを。

しかし縮まらないからと言ってそれが俺が進まない理由にはならん。抜けないことが明らかだからといって俺が努力しなくていいってことにはならない。』