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Le Nocturne

深淵を覗く時

江ノ島、そして鶴岡八幡宮へ。



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江ノ島神社の展望デッキで友人と一息つこうと階段を上ったら猫がいた。

江ノ島には捨て猫が多い。みんなここに捨てていく。

ベンチに座ると猫がすり寄って来て友人の膝に乗って前足をふにふにしてきた。猫のその行為の意味は一種の愛情表現で、昔お母さんとの記憶を思い出して甘えているらしい。私たちの膝の上を行ったり来たりして最後には静かに眠ろうとしていた。

 

本当に、残酷なまでに、かわいそうだった。誰に愛されるためにこの子は生まれて来たのだろう。本当は今頃暖かい家族に囲まれて過ごしていたのかもしれないのに。中途半端な優しさはむしろ苦しみしか生まない。

 

帰りの電車に揺られながら猫のことを考えていた。猫はどこにいるのだろう。ちゃんと食べているのか。寒いのにどこで暖をとっているのだろう。誰か猫を愛してくれる存在がいるのだろうか。そんな考えても救ってあげられないことばかり思考の空費を重ねて、私の意識が次第に微睡んでいった。

 

次の地へ赴くために私たちは行かねばならなかった。最後まで猫は私たちを見ていた。あの佇まいの凛とした、はっきりとした意思を持ったが目が、忘れられない。それは軽蔑か、諦観か。