C'est la vie

新大陸の湖畔

白の優しさ

朝。目が覚めて窓越しに体を寄せる。外を見ると雪が降っていた。

遂に降ったのだ。寝る間際、若干の期待と降らなかったときの少しの裏切りの絶妙なバランス。おかげでよく眠れなかった。遠足前の小学生と何らかわりない。

雪。
雪は私のなかで何かを目覚めさせる最も有効な手がかりであり、空から舞い落ちるそれのおかげで世界の時間は緩やかに流れることを許される。

雪。
昔シカゴにいた頃。私が思い出す景色はいつも銀世界だ。辺り一面の白は町の光や色を全て変えていく。純真無垢なものへと。張るような冷たさにはある一定の緊張と、矛盾するかのように優しさが存在する。冷たい空気が鼻腔を満たし、私のからだは雪の緊張感と同化する。

あちらの雪とこちらの雪。まるで違うけどどちらも優しさがいつも私を包んでいる。そして全てがベールに包まれていく中で私も白に染まって骨になり自然に還るのかもしれない。