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Le Nocturne

深淵を覗く時

世界の理

真理っぽいもの

世界は実にシンプルであり、単純明快であり、フレキシブルに対応しているはずなのに、私たちは常に多様性をもって物事に接することが難しいのでどうしても視点に偏りが見られる。
曲の解釈が進まないときはどこか凝り固まった一つの視点でしか物事を直視出来なくなっているし、喧嘩が始まったら自分の正義を死守するために相手を攻撃することしか頭にない。
先入観とは怖いもので、だけど色々疑い出したら自分と言うものが壊れてしまうような気がしてにっちもさっちも行かない。もういっそ壊れてしまえば話は早いのだが。

しかし、曲の解釈で頭を悩ませているのにも関わらずその「単純さ」とやらは皮肉にもその曲から教わることが多い。と言うか、それがほとんどである。
バッハの曲に内在するパルス、それに付随する息遣い、体内に巡るエネルギーの回転数、腹式呼吸と肩甲骨の動作の関係性、モーツァルトの曲に内在する複雑そうに見えて実は簡単な和声進行。全てが難しいようで仕組みとやらは本当にシンプルであった。どうして今までそんな先入観に捕らわれていたのか笑ってしまうぐらい不思議な瞬間だ。

私はこれからの人生でこの単純さに幾度となく裏切られ、救われるのだろう。今は焦らずいつか救われる日が来るまでヤツを待ち望むしか他ない。