C'est la vie

新大陸の湖畔

深海

多分僕は馬鹿なんだと思う。頭の賢さでも、おそらく人間的にも謙遜でもなんでもなく、総合的に見て不器用さが際立っている。汚い。 ああ、まただ。体ごと海の底に沈んでいくこの感覚。耳元で空気が「ゴポ...ゴポ...」と漏れていく音が聞こえてくる。もがけば…

月 Episode2

いつも見ている月が幾分にも拡大されているような気がしたので、よく目を凝らしてみたものの次第に意識が薄れていった。どうやら、月のことを考えると思考が停止するようにかの組織に操作されているのかもしれない。私はこうべを垂れるまでもなく意識を深く…

人生 Episode1

ずっと自分とは何者なのか、どこから来たのかを探していた。そうじゃないと僕は僕が僕たる所以を分かってあげられない不安から救えないような気がしたんだ。 僕はもしかしたら海から来たのかもしれないし、はたまた宇宙かもしれない。雪から生まれたかもしれ…

四月への雨

今日は久々に何もない一日を頂いたから、せっかくだし海を見に行こうとも思ったが天の思し召しにより朝から春の雨が優しく降っていてなんともこの外出する気の失せるお天気に素直に従うことを思う。春の雨はだんだん暖かくなるための道しるべみたいなものだ…

雑記

お風呂から上がった後の時間は本当に幸せしか詰まっていない。 この時間にはどんなことを考えてもいいし、どんな馬鹿なことを口走ってもどうでもいいし、全部全部微睡みの中に後で落としこんでしまうから何を思ったって許される気がする。 震災から6年が経ち…

昔の話

少し昔の話をしようと思う。 きっと今も昔も生きていく年数だけそれぞれの歴史があって、人には人の歴史の重みがあると信じている。人には人の乳酸菌よろしく。 現在私も沢山の思い出を絶賛大量生産中だ。質も量もバラバラで、だけど死ぬときに例え持ってい…

夕日の色

楽語や音符、音名や表示記号、目に見える情報というものがただただ鬱陶しかったあの秋の暮。どうしたら「音がただそこにある」という演奏に近づくことができるのか、何か外してはいけない筋みたいなものを幾度も乗り越えたその先に見えるまで、まるで真空の…

今日のお天気は曇りのち雨になるでしょう

雨を重ねるごとに近付く春に心が踊るのはやっぱりまだ子どもだからかもしれない。巡り来る春に喜びを感じることが無くなった時が大人になった時だ、ということを誰かが言っていたけどそんなことで大人になれるなら僕は一生子どものままでいいよなぁ、だなん…

上野・入谷にて

その土地での思い出は人との巡り合わせと似ている部分があり、私の場合だと関西から帰ってきた時に見える青白く光るスカイツリーだとか、暗闇に鬱蒼と茂る寺院の木々などが帰ってきたと感じる要因にいつの間にかなり得たのである。 きっとどこに住んだって自…

ある春の日の夜の話

町を歩くと春が近付いているのを如実に感じる瞬間がある。 体感温度がグッと上がっただとか、降りしきる雨に冷たさを感じなくなっただとか、そんな表面の話をしているんじゃない。 春が冬の心を溶かすような、ちょっとの甘さを添えて私を飲み込むその無邪気…

帰還

恐らく夢物語としても、この道は母なる大海原へ、父なる大宇宙へと繋がっていることはバッハなりベートーヴェンなりブラームスが既に証明している事実であり、自らの命を以てして灯をともしその最期の微々たる炎が消えるまで喘ぎながらも泳ぐことを決意した…

特に意味はないのだけれど。

かつての創世記でも記されたように、林檎は罪の果実と言うよりはそれを取って食べるこの行為によって罪そのものの意味が完結するのであるならば、本来この林檎にはそもそも罪の理由もないのに、どういうわけか長い歴史のなかで林檎は罪の果実と間違えられや…

三月のライオン

『鳥に似てる。白くて静かでスッとした感じの。鷺とか鶴とか細くてでっかいやつ。兎と亀ってあるじゃん。あれの兎のもっと上。兎じゃなくて鳥。宗谷を見てると自分は亀か地を這う虫のような気がしてくる。 でもって参るのは兎は過信して自滅してくれるけど、…

忘れたくないこと

朝、少しのコーヒーの匂いに目を覚ましてお父さんとお母さんにおはよう、と言います。 適当に流れるテレビを横目にバターを塗ったトーストをゆっくりかじります。今日の星座占いに家族で一喜一憂したら、あたしは今から会う大切な友達のことを思い浮かべてバ…

シーズンサヨナラ

突然の春の訪れを錯覚して、あたしは忘れてしまった何かを取り戻した気になってみる。春のそのだらしない温さは、多分一年後には忘れてしまうのかもしれないけれど、そんな永遠を約束しない危うさは確かにあたしを救ってくれるし、こんな日の夜は誰にも会わ…

何ともうまくいかない時期

この世で333番目に害悪なことがこんな時間まで起きて尚且ブルーライトを浴びるように見て寝る努力をしないことであるならば、多分332番目ぐらいには、中途半端なやつが中途半端な言葉を中途半端に使うことがランクインするはず。そんな中途半端野郎から出て…

顕微鏡でズームばっかりしてるから

音楽に意味なんてないのに、そんな空っぽな自分を守りたがるのは何故なのだろう。ただ好きなだけなのに、こんなに傷ついた気持ちになるのは何故なのだろう。 バンドによくある音楽性の違いによる解散とか言うやつは意外とバカにできないことが分かるし、相手…

久々に楽しいこと

久々に同郷の人と話が盛り上がった。って言ったって県跨いでるけど。地元について思うことがなんだか似ていた。ありきたりのそれじゃなくて、いや、多分会話的には関西人が故郷の何かを思うそれと何も違いないのだけれど、私もいつのまにか酷い訛りで喋って…

言葉

何故か最近シューベルトばかり聞いている。意識している訳でもないのに、たまたまシューベルトが寄り添ってきてくれたような偶然。ありがたい話かもしれない。 歌曲なんて弦楽器奏者にはよっぽどの機会がないと聞けない。聞こうと思わないと。言葉にすれば価…

演奏者の不在

自分がもういらないと切り捨ててきたもののなかで何か特別な素敵なものに出会えた瞬間は、切り捨ててしまっていた自分の愚かさを恥じる一方でまるで宝物を見つけたような気持ちになる。大げさでもなく、この音楽に出会うために生まれてきたと思える刹那、小…

というわけで

ちょっと目が覚めた気がした。憤慨しているときは自分が世界の矛盾を解きほぐしてやるんだと勇む時空管理局の管理人になった気分だった気がする。 世界の矛盾はもうどうだって覆せないし、矛盾があって丁度良いのかもしれない。時にはその犠牲になって、無力…

恥ずかしい話

恥ずかしい話。 同じ文章を読んでも全く感想が違った。今まで当たり前すぎて気付かなかった。ある文章を僕は涙を堪えながら読んだ。その傍ら世界はそれを鼻で笑っていた。 同じ音楽を聞いていても全く感想が違った。皆似たような感覚を共有しているものだと…

沈黙

等間隔に並ぶ街頭が星の光を掠め取る。今日も夜空色の壁紙を貼っただけの東京の空で、巡り会えたかもしれない大事な何かをこぼして家路に着く。盛者が必ずや墜ちていくこの世界で、何が命を長く保たせることが出来るのだろうか。 格付の命は短い。音楽の効き…

多分みんな思っていること

人に自分がこう考えていると決めつけられるのが嫌で、選択肢を迫られた時にどちらかの立場を取ることを極端に怖がる情けない自分がいる。責任が取れない。責任を取るまでの自分の好み、価値観に自信を持って首を縦に振ることが出来ない。 自分の良いという感…

どっちも正義なんですけどね。

お前の言ってることは筋が通ってないよ。きちんと正してまっとうに生きろよ。 お前の言ってることは正しいよ。でも正しさは人を殺すぞ。

刹那

移り行く夕日の影とか。 何か言いかけて口をつぐんだ夕焼けとか。 空の粒子をめいっぱい詰め込んだ楽器とか。 暗い部屋で緩やかに流れることを許された時間とか。 君と一緒に歌った誰も知らない歌とか。 全てが愛しくて、忘れちゃいけない。 この日のために…

そう、あなたは私のスーパーマン

ありえない速度と温度を持って1週間が私の頬を掠めていく。 人生で初めてフラれた。 人生で初めて孤独を告白した。 人生で初めてお前の存在を無条件に肯定した。 拒まれ続け、何かを失った気になった。ぬか喜びが終わり、成長している気になっていただけだ…

真理の詰め放題バーゲンセール

人間が成長するために必要なものが好奇心と劣等感という事実は、この世で一番美しい形が円であることと同じぐらい普遍的な事実であります。 今日はあまり良いことがなくて、ひとしきり泣いた後に昼からぶっ続けに弾きまくってたら自分がよく分からなくなった…

女の子のスカート

この世界、上手く回っていると感じる理由の一つに「大切なものは常に隠されている」という法則だった。 それは実に美しいと感じる瞬間に付随する何かしら約束された理であり、早い話女の子のスカートの中身の話でもあったり、そんなことなかったり。 確固た…

間際

「死ぬときってあの世に何を持っていけると思う?」 ここはどこだか分からない。壁も天井も白く、何もかもを浄化する意思を持って僕の周りにそれが佇んでいる。僕はなぜか白み切った夕暮れを映す窓辺に小さな椅子を一つ拵えて、白いベッドに横たわるお姉さん…

言葉にすることで価値が下がることを分かっていても今日だけは許してほしい。 確かにあなたはもう先を見つめていて、その眼差しが何かを捕らえてもう戻ってこないこと。何となく。何となくね。 こんなちっぽけな私だけど、初めて本当の恋をして、愛という感…

遭難

自分の気持ち悪さを何度も拭って拭って、それでもこびりついて取れなくて。自分の中の性を想起させる何かが、そこにずっとあったのに他人に認識されることでやっと輪郭が分かってしまって。今まで目をそらしていたけど。 もうだめ。 気持ち悪い。自信がない…

どうでもいいこと

世の中の人々はどうやって寂しさを乗り越えているのだろう。 真夜中のふとした瞬間。何かをやりきった後に訪れる虚無。始まりがあるから終わりがあって、ただ自分が好きなことをしているだけなのに。毎日楽しいのになんでこんなに寂しいんだろう。 だから一…

未確認に接近中

誰かに演奏を聞かせることは多分異性に裸を見せることと何となく似ているのかもしれない。想像でしか話せないけど、少なくとも今のところそんな感じだ。 恥ずかしい。恥ずかしい。 一途な思いをしたためた昔のラブレターだとか、君のために書いたポエムとか…

fatigue

遠いものが大きく見え、近いものが小さく見えるバロンの世界がいつの間にかこんなに身近な存在になっていたとは。

生きてきた軌跡を何となく辿ってみても、そこに私の証がちゃんとあるのかはちょっぴり自信が無くて。借り物の言葉とか、借り物の思想というフィルターを通してでしか私を見つめることが出来ない。 本当の自分はどこから来たの? 自分の中に生きた証を求めて…

逃走

夢は必ずしも良いものばかりではない。それは実際に見る夢にしろ、描く夢にしろ。 そんなこと小学生の頃から何となく分かってた。昨日は初めて独り暮らしの夜が怖いと思ったし、今日は私の未来がまだ本当に白いと思った。大人を装った人間たちは、「まだ色ん…

Rêverie

親愛なる...へ 永遠の優しい微睡みを今日もあなたに。 静かに瞼を閉じればほら、貴方にしか会えない夢。 夜色した淡い夢が貴方の四肢を、心を、優しく抱いてくれる。 指先から、唇から、瞼から、色が溶けていく。 今日も舟を漕ぎ出そう。 水面に映る貴方の影…

当たり前のことなんだけど

学校の西洋音楽史の授業はその時代の西洋音楽のエッセンス的なこと教えてくれて、今まで何となくそう感じてはっきりしていなかったそこら辺を私が分かるように手に取れる形で言葉にしてくれて有難いって感覚を持ちながら授業受けてたけど、結局それは借り物…

上野恩賜公園 不忍池

不忍池には首を折られたような蓮の水死体が互いにもたれ掛かるようにして今日も絶望している。何かありそうで何もない、精神的充足感を得られる訳ではないけど愛すべきこの町にそれは何故かぴったりで、こんなにも汚く萎れた茶色の水死体が私は嫌いになれな…

幸せ

あなたの軌跡を辿る。丁寧に地に埋まった亡骸を拾っていく。冬の色した骨の冷たさを感じる内に、あなたとの距離が肌を通して分かってくるの。あなたが段々輪郭を成して私のなかに立ち上ってくる。あなただって分かっているでしょう。私達はもう死ぬまで永遠…

精神的失恋

良い感じだ。もう過去の一切を忘れられそう。どんどん言葉にしていけ。嘘を吐け。そして自分の内側と皮膚の外側をどんどんずらしていけ。歪ませていけ。可塑性を生かした失恋方法。もう全部忘れて、過去にサヨナラしよう。もっと来い。もっと歪ませろ。いく…

新年を迎えるにあたって

あけましておめでとうございます。第一稿ぶりに人に向けて書きます。と言うものアクセス解析?(ちょっと未だによく理解出来てないのですが)によると見てくださっている方々のアクセス数がどうも100を越えたみたいで、非常にびっくりしています。元々は思考の…

今夜の月はなんだか泣いているみたいだ。伏し目がちなその目に涙の粒が一つ転がって、果てしなく深い藍色に染まってしまいそう。 どうしたの。何があったの。元気だしなよ。 当の本人はもう西の彼方に沈んでしまおうと少しだけ焦っている。怖がらなくていい…

また会おう

僕の中の街が死ぬ。10年の時を経て。 見上げた夜空にはそこかしこに光。西の空に大きな金星。結局最後まであの等間隔に並ぶ星の名前が分からなかったな。星にもちゃんと色があって、なんだか皆が弱々しくも「僕はここにいるよ」って問いかけてきている。小さ…

171号線

大阪の祖父母と夜の食事を終え、食後の眠気が私達家族をゆったりとした速度で飲み込んでいく。国道171号線を車で走っているとなんだか今日が12月28日であることにしっくりとくる、と父親が急に呟いた。 「そんな日あるん?」と私が聞くと、彼曰く「この仕事…

シール

僕の一番の宝物を君にあげる。 僕の一番大切なシールだよ。 君のことが大好きだからね。 大人達は物々交換の愛を求めるね。 好きって気持ちだけで、みんな救われたら良いのにね。

京都

私が住む場所から京都はそれなりに時間がかかる。 阪急梅田から特急でも45分はかかる。でも一人での遠出というものをそんなに苦痛に感じないので今日もワクワクした気持ちを抑えられずに電車に乗り込んだ。 今は京とれいんと言うものがあるぐらい大阪から京…

星2

二人の関係が二人だけにしか分からないものであればいいのに

衆愚

大人が作った少女像。 か弱い少女のブランド化。 ネームタグのタイムセールス。 美しさが正しいという 若さがゆえの思い込み。 その少女像を片手に 自慰行為する大人たち。 もう届かない憧憬を 少女に擦り付ける背徳感。 少女達は社会の性奴隷。 偶像崇拝も…