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Le Nocturne

深淵を覗く時

幸せと死の二項対立

最近、自分が幸せな時の思考を言語化することの難しさを感じます。苦しい佳境に立たされたときは何とかして言葉という形態をもって捻りだそうと出来ますが、幸福な感情を表に出すときの表現方法がそう言えばわからないなと。どんな風に幸せですか、とか、い…

大学生の憂鬱

元来、特別な力というものにはある程度の憧れを抱いていた。小さなころ見た夢に自分で興奮を覚え、その通りにはならなくとも同じような感覚が味わえたらな、という妄想は好きだった。自分の夢に感動していたあの頃の私は単に自慰行為を繰り返していただけだ…

宮崎・青島

青島に行ってから、左目だけ涙が流れ続けるという特異体質になってしまった。心当たりと言えば、その前日にこなした本番で少々厚化粧をしたときに左目に集中的にアイシャドーが入ったか、はたまた青島の海水に触れた手で目を掻いたか。後者だとしたら私の左…

宮崎・県立劇場にて

どんな舞台であれ終わってしまえばあっけなかったの一言に尽きることが多い。技術にも体の使い方にも音楽にかける情熱にも偏りすぎない職人的なバランスのとり方が要求されているような気がした。終わってしまえばまた、私は忘れてしまうのだろうか。忘れた…

人生 Episode1

ずっと自分とは何者なのか、どこから来たのかを探していた。そうじゃないと僕は僕が僕たる所以を分かってあげられない不安から救えないような気がしたんだ。 僕はもしかしたら海から来たのかもしれないし、はたまた宇宙かもしれない。雪から生まれたかもしれ…

帰還

恐らく夢物語としても、この道は母なる大海原へ、父なる大宇宙へと繋がっていることはバッハなりベートーヴェンなりブラームスが既に証明している事実であり、自らの命を以てして灯をともしその最期の微々たる炎が消えるまで喘ぎながらも泳ぐことを決意した…

三月のライオン

『鳥に似てる。白くて静かでスッとした感じの。鷺とか鶴とか細くてでっかいやつ。兎と亀ってあるじゃん。あれの兎のもっと上。兎じゃなくて鳥。宗谷を見てると自分は亀か地を這う虫のような気がしてくる。 でもって参るのは兎は過信して自滅してくれるけど、…

忘れたくないこと

朝、少しのコーヒーの匂いに目を覚ましてお父さんとお母さんにおはよう、と言います。 適当に流れるテレビを横目にバターを塗ったトーストをゆっくりかじります。今日の星座占いに家族で一喜一憂したら、あたしは今から会う大切な友達のことを思い浮かべてバ…

言葉

何故か最近シューベルトばかり聞いている。意識している訳でもないのに、たまたまシューベルトが寄り添ってきてくれたような偶然。ありがたい話かもしれない。 歌曲なんて弦楽器奏者にはよっぽどの機会がないと聞けない。聞こうと思わないと。言葉にすれば価…

沈黙

等間隔に並ぶ街頭が星の光を掠め取る。今日も夜空色の壁紙を貼っただけの東京の空で、巡り会えたかもしれない大事な何かをこぼして家路に着く。盛者が必ずや墜ちていくこの世界で、何が命を長く保たせることが出来るのだろうか。 格付の命は短い。音楽の効き…

真理の詰め放題バーゲンセール

人間が成長するために必要なものが好奇心と劣等感という事実は、この世で一番美しい形が円であることと同じぐらい普遍的な事実であります。 今日はあまり良いことがなくて、ひとしきり泣いた後に昼からぶっ続けに弾きまくってたら自分がよく分からなくなった…

女の子のスカート

この世界、上手く回っていると感じる理由の一つに「大切なものは常に隠されている」という法則だった。 それは実に美しいと感じる瞬間に付随する何かしら約束された理であり、早い話女の子のスカートの中身の話でもあったり、そんなことなかったり。 確固た…

間際

「死ぬときってあの世に何を持っていけると思う?」 ここはどこだか分からない。壁も天井も白く、何もかもを浄化する意思を持って僕の周りにそれが佇んでいる。僕はなぜか白み切った夕暮れを映す窓辺に小さな椅子を一つ拵えて、白いベッドに横たわるお姉さん…

fatigue

遠いものが大きく見え、近いものが小さく見えるバロンの世界がいつの間にかこんなに身近な存在になっていたとは。

逃走

夢は必ずしも良いものばかりではない。それは実際に見る夢にしろ、描く夢にしろ。 そんなこと小学生の頃から何となく分かってた。昨日は初めて独り暮らしの夜が怖いと思ったし、今日は私の未来がまだ本当に白いと思った。大人を装った人間たちは、「まだ色ん…

当たり前のことなんだけど

学校の西洋音楽史の授業はその時代の西洋音楽のエッセンス的なこと教えてくれて、今まで何となくそう感じてはっきりしていなかったそこら辺を私が分かるように手に取れる形で言葉にしてくれて有難いって感覚を持ちながら授業受けてたけど、結局それは借り物…

衆愚

大人が作った少女像。 か弱い少女のブランド化。 ネームタグのタイムセールス。 美しさが正しいという 若さがゆえの思い込み。 その少女像を片手に 自慰行為する大人たち。 もう届かない憧憬を 少女に擦り付ける背徳感。 少女達は社会の性奴隷。 偶像崇拝も…

バッハを人前で弾く意味

この世で弾く意味なんて考えたところでただの思考の空費に終わるだけなんだけれど、一度考えたらもう無視できない存在なので。 結論からいって、ない。と思う。 私たち凡人の奏者はやっぱりどこかで愛されたくて、認めてほしくて、そんな承認欲求がちらほら…

定まらない視線

本物なんてどこにある。 嘘にまみれた言葉使いの僕たちに。 嘘に嘘を塗りたくったのに、どうして本物が見えるというの。 そんな言葉を操って本物を見たような気になっている。 価値が。 ああ。 これ以上知りたくない。

隅田川

生きているならきっと誰もが闘いを強いられる。 生きることは闘うことだから。 大きな川の流れに逆らうことは最早不可能。 今だったら分かる。君が強くなりたいと言っていたその言葉の意味。 最初から出来ないと思って挑む気持ちはなんだろう。 全てを懸けて…

There is no trace left behind

僕らは決して戻れない。 流れ行く歴史を戻せない。 いつも僕らの目は現在から過去を見つめている。 それじゃ何も見えないね。お前のために沢山の言葉が生まれて沢山の言葉が死んだよ。 消えた言葉を弔ってやろう。 闇へと葬り去られないように。 歴史の裏側…

かたつむり

かたつむりは 自分の殻と言う居場所をきちんと持ててそれも自分の身の丈にあったものだから、 どこかの誰かに自分の居場所を必死に見出だそうとする自分の浅はかさを かたつむりを見ていたら思い知らされる。 本来はちゃんと僕の体のなかに僕の魂が居場所と…

「絶対」はお前を守ってくれない

今まで「絶対」という言葉の暴力で傷つけられた人はどれぐらいいるのだろうか。 今「絶対」と思われる世界なんて時が経てばその「絶対」は「絶対」じゃないかもしれない。誰も保障してくれない。だからこそ僕たちは日々生活のなかに隠れている「絶対」と信じ…

本質と手段が一致しないとき強烈な不快感が発生する

風呂上がり。程よく上がった体温は自然と眠気を誘い、うとうとしてくる。 うとうとしている時の私は色んな事を考えている。ハッキリ意識をもって考えてる時とはまた違って、ただ考えても無駄なことをボーッとただひたすらに、考え事の単位を最小にして考える…

世界の理

世界は実にシンプルであり、単純明快であり、フレキシブルに対応しているはずなのに、私たちは常に多様性をもって物事に接することが難しいのでどうしても視点に偏りが見られる。 曲の解釈が進まないときはどこか凝り固まった一つの視点でしか物事を直視出来…

愚かな人間

私の中には地下に続く階段がある。恐らくレンガ造りの螺旋階段。私は松明を焚いてその階段を降りていく。右手に壁のザラザラとした質感を感じながら一歩ずつ踏み締めて降りていく。地下は暖かい。地上の荒野で身体も心も傷ついたとしても降りてこれればふと…

本当の居場所

私たちは生きているうちは何かしらの形態を取ってコミュニティというものに属している。どういったコミュニティに属するかは己の内面が大きく関わってくるものだ。自分の居場所というものは常に流動的で私の場合同じコミュニティに一年以上留まり続けた記憶…

総合的な力

技術、和声感、音程感を越えた所の音楽というものを久々にこの前聞いた。 私は昔から音に感情を込めることが自分の得意な部分だと自負していた節があった。音に感情を込めることこそが私のアイデンティティーだ、と言うまでに登り詰めてしまった。確かに一途…

音楽のちから

まず記念すべき第1稿(先程のはまあノーカンで)は何を書こうと思ったが、取り敢えず後期から強く感じている音楽の力について考えてみる。具体例をあげた方がイメージがつきやすいので小説家という職業と音楽家という職業の対比で音楽の力を説明したいと思う。…